藤山直樹『落語の国の精神分析』(2012、みすず書房)を再読して-藤山版・精神分析入門を読む(再録)

たぶん2016年ころのブログです。*藤山直樹さんの『落語の国の精神分析』を再読しました。2012年に一度読んでブログを書いていますから、おそらく今回が2回目の再読です(たぶん(?)。実はこの間に1回読んだような気もするのですが、記憶があいまいではっきりしません。藤山さん、ごめんなさい)。しかし、やはりとても面白かったです。そして、いい本です。前回のブログで、「藤山さんの精神分析の概念の説明がとてもすばらしいです。特に、エディプスコンプレックスの説明は、私がこれまでにいろいろ読んだり、聞いたりした中で、一番わかりやすい説明だと思いました。ほかの概念の説明も、とてもわかりやすく、しかも、レベルは高い水準をキープしているところがすごいと思いました。藤山さんには『集中講義・精神分析』(上・下、岩崎学術出版社)という本がすでにありますが、この『落語の国の精神分析』は藤山版・精神分析入門と言ってもいいのではないかと思いました」と書いたのですが、この印象は今回も変わりません。精神分析の考え方をおさらいし、さらには、最新の精神分析の考え方を藤山流にわかりやすく、かつ、深く展開しているように思われます。そんな中で今回、私が学んだのは、エディプスコンプレックスが死と密接な関係にあるという点。ここは前回、まったくつかめていなかったのですが、とても大切なことと感じました。子どもが父親を認めることは、父親がいずれ死んでしまう存在であるということに気づくことだという考え、ここは斬新な印象を受けました。もう少し考えてみたいと思っています。他にも、自分は自分でいい、とか、今言ってもわからないことは言わない、とか、好きなものに打ち込めることだけでいい、とか、大切な言葉が出てきていました。今後も、もっともっと、読み込んでいこうと思いました。